2018年4月12日木曜日

血圧

ヒロインの血圧低し桜貝  木村オサム 
  (「儒艮」24号より)


病気やその症状には、医学的な事実は別として、それぞれ付いて回るイメージがある。同じくらい辛くても、同情されやすい病気、人に言いにくい病気、軽く見られがちな病気、いろいろ。

プロトタイプ的な悲劇のヒロインが罹る病気といえば、昔は結核、その後は白血病、今は何だろう。

血圧の高い人には申し訳ないけれど、ヒロインが高血圧では、成人病や不摂生を連想してあまり美しいイメージは抱きにくい。かといって低血圧が美しいかというとそうとも限らない。少なくとも情熱的な感じはしない。桜貝は可憐だが、可愛いだけではないように思う。ラブコメディかもしれない。または、気だるげに、ゆっくり喋ったら、色っぽいような気もする。いずれにせよ型にはまったヒロイン像ではない。





0 件のコメント:

コメントを投稿