川柳の句集です
『めるくまーる』 樋口由紀子(ふらんす堂) より
厚化粧だったり薄化粧だったりする笑い
たくさんの人が笑っていて、その中に厚化粧の人や薄化粧の人がいる、という風にも読めるけれど、記憶の中に、ある一人の人がいて、その人の笑顔があるときには薄化粧だったり、別のときには厚化粧だったり、という読み方の方が面白い。もちろん、そのどちらでもない、いろいろな読みができると思う。
夕方は斜めに立つといい気分
キャスターがついているのが春の椅子
短いなら短いように舟に積む
蒲団から人が出きて集まった
一晩だけ預かっている大きな足
からっぽの帽子の箱は恥ずかしい
いつだって反対側を開けられる
さいころの6がでるまで金曜日
空箱はすぐに燃えるしすぐに泣く
前回の著者の句集『容顔』から19年とのこと。装丁の雰囲気もずいぶん違う。
0 件のコメント:
コメントを投稿