2020年8月7日金曜日

句集『柔き棘』 柏柳明子

 句集『柔き棘』 柏柳明子(紅書房)


無患子を拾ふきらひな子のきれい  

ムクロジの実は半透明で、振ると中の種がカラカラと音を立てる。

キラヒナコノキレイ、と口に出して言っみるとカ行の音が少し尖っている。きっと当時は大きく切実だった感情。今では小さい欠片のようなものになっている。


こほろぎや畳の縁を避ける父

父帰るかほに木枯張りつけて

家族の句がいろいろとあるが、父のキャラクターが際立つ。


睫毛からつながつてゆく天の川

次々と傘をひらきて卒業す

せつかちにつくられてゆく燕の巣

もう一度神輿のとほる秋日和

夜濯や別の地球にゐるごとし

春の星頭の重きぬひぐるみ


柏柳明子さんは炎環同人(私と同期)。

結社により句の傾向がやはりあると思うが、明子さんはわりと炎環らしい句風の作者ではないかと思う。





白花モミジアオイが今年も咲いている。あとから写真をみたら、またカマキリの子が。

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