ぎゅっと抱いて子鹿の斑もう消える
動物の仔の成長は早い。ぎゅっと抱いているその瞬間にも、どんどん成長して斑点も消えて、というアニメ的な画がイメージされる。
酢海鼠や百万回も死んでいる
『100万回生きたねこ』という絵本があるが(読んでいない)、この句はそういう転生的なことでなく、酢海鼠の死んでいる状態が、もうものすごく死んでいるという強調のことではないかと思った。酢海鼠や、で切って死んでいるのは別のものととる読み方もあると思うけれど。酢海鼠の死に様の方が私はおもしろい。
東北の泡立つ春の木戸開ける
透明な鞄抱えて春列車
冬銀河われに清しき真空管
箱舟に乗れぬ蝸牛とみる空や
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