南うみを句集『凡海』(ふらんす堂)
赤腹が田螺の殻を蹴りすすむ
句集中に多種の生き物が犇めいている。赤腹がいるところは澄んだ綺麗な水だろうから、生き物たちのぶつかり合いの様子もあからまさに見える。
鰆てふ光の棒を提げ来たる
人もたくさん出てくる。どの人も土臭い。都会育ちの人からは想像もつかない生活力をもっていそう。私は鰆は切り身でしか見たことがない。
白鳥のうしろこまごま鴨通る
これは鳥見として共感。
伸びることうれしき春の蚯蚓かな
小鮎選る指生き生きとちまちまと
仲買人飛魚の翅拡げもし
箒十蚊遣十巻寺掃除
どんぐりのめり込んでゐるひづめ跡
すつぽんのもんどりうつて落し水
干し若布にぎり砕きて飯のうへ
凡海は「おおしあま」と読み、若狭の海の古名だそう。
では、和泉の海の古名は?と思いググったところ、茅渟(ちぬ)の海とのこと。そう言えば聞いたことがあるような。今度使ってみよっと。
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