2021年9月15日水曜日

『人類の午後』堀田季何 

 『人類の午後』堀田季何 第四詩歌集(邑書林)より


息白く國籍を訊く手には銃

自爆せし直前仔猫撫でてゐし

毆られし痕よりとけて雪女郎

蠅打つや自他の區別を失ひて

とりあへず踏む何の繪かわからねど

根分して草の童を增やしやる

地球儀のどこも繼目や鶴歸る

左手のかつてにひらく原爆忌

撃たれ吊され剥かれ剖(ひら)かれ兎われ


正字が全部は出せなかったかも?


連作風になっていたり、設定があったりで「この作品はフィクションです」と提示されているように思う。

けれど見据えているのは、今日の現実社会の諸問題でしょうか。


繪の中に三つの時閒南吹く

絵の中を流れる時間に思いを致すこと自体惹かれるけれど、三つの異なる時間があるというのはさらにイメージが広がる。各自が好きな絵を思い浮かべればよいと思う。









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