星月夜どしゃと子牛の産まれたる
鷲巣正徳句集『ダ・ヴィンチの翼』 (私家版) より
昨年、角川俳句賞を受賞された鈴木牛後さんが牛の句では有名だが、この句集も牛の句が多い。「どしゃと」という措辞に生々しさがあり、かつ星月夜という季語でメルヘン風味も感じられる。
朧夜の柱を擦る牛の角
小春日の戸の破れ間より牛の舌
手にぞりと牛の舌立つ夏の月
牛の各部の質感が迫ってくる。確かに牛は大きいので、近くにいると実感するのは牛の全体より部分だろう。
ゑのころや電車見るのが好きな犬
春宵の必ず丘を登る犬
犬の句も愛が深い。
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