雨続きで、なかなか鳥を見に行けない。次の週末は行けるかな。
句集『森の螢』 名取里美(角川書店)より
かほ上げて仲間のをらず鳰
鴨はペアでぴったり寄り添って泳いでいたり、家族くっついて眠っていたりと、仲良く行動しているのをよく見る。それに比べるとカイツブリは個人行動が多いように思う。群れは作っていても、繁殖期以外はそれぞれに違う方向を向いて餌を追いかけているのを見かける。それでも一応、仲間の存在はときどき確認しているのだろうか。
掲句では、潜っているうちにふと気づいたら、自分のみしかいない。きょとんという顔をしている鳰が可笑しい。一句前に「潜りてはかほあわせては鳰」がある。
まつ先に先生拍手菊日和
つかの間に吾も子老ゆる踊かな
ひとすぢに水渡りくる青螢
まだ何か見えてきさうよ初御空
客去れば一服熊手売る女
空蟬も蟬の骸も永田町
いうれいのやうにぶつかる夜霧かな
みづうみの光届かず檻の鶴
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