『御意』 黄土眠兎 (邑書林)
紙飛行機雛のまへを折り返す
男兄弟が多いと、お雛様はエライ目にあう。
私の雛人形も、男雛の刀を持っていかれたりしていた。
紙飛行機ならば、大事故にはならないかも。賑やかで楽しい一場面。
アマリリス御意とメールを返しおく
メール相手との関係性をいろいろと想像する。
実在の特定の人が思い浮かんできてしまう。
子の息を吸ふ窓ガラス冬満月
トロ箱の氷攻めなる四温かな
銀行の金庫に育つ余寒かな
鶴引くや畦を歩測の測量士
陽炎の懐深く泣く子かな
時計草忘れたきとき忘れけり
蜘蛛の囲にかかつてばかりゐる人よ
百合ひらくサンダル履きの修道女
菊人形肩より枯れてゆきにけり
活版印刷の印影と正字が趣き深い。
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