2018年2月22日木曜日

『御意』 黄土眠兎

『御意』 黄土眠兎 (邑書林) 


紙飛行機雛のまへを折り返す

男兄弟が多いと、お雛様はエライ目にあう。
私の雛人形も、男雛の刀を持っていかれたりしていた。
紙飛行機ならば、大事故にはならないかも。賑やかで楽しい一場面。


アマリリス御意とメールを返しおく

メール相手との関係性をいろいろと想像する。
実在の特定の人が思い浮かんできてしまう。


子の息を吸ふ窓ガラス冬満月

トロ箱の氷攻めなる四温かな

銀行の金庫に育つ余寒かな

鶴引くや畦を歩測の測量士

陽炎の懐深く泣く子かな

時計草忘れたきとき忘れけり

蜘蛛の囲にかかつてばかりゐる人よ

百合ひらくサンダル履きの修道女

菊人形肩より枯れてゆきにけり


活版印刷の印影と正字が趣き深い。







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