文フリで求めた歌誌。
「かもめや」より
手を伸ばし足を伸ばして腹の子は世界の幅をたしかめており 魚谷真梨子
この庭の古墳のような草の山ビニール袋にバサバサ入れる 湯 かずみ
煙草吸へば煙草が減つてゆくだけのごく単純に突つ立つてゐる 谷 とも子
出航のワイングラスを傾けてグリコの白い肉体を見る 西園寺 翔
太陽に酸味、月には弾力を与えて今この空が大きい 小川 ちとせ
ガレージの闇に身体を押し込んで鬼の足音去るのを待てり 中井 スピカ
遅れたり並んできたりする月を高槻に着くまでは見てゐた 久保 茂樹
ツインテール、眼鏡の奥に映すのはしまといぬとうみとかなしみ 堀田 イト
胴体を洗いし水は余すなくささめきながら孔に吸われる 江戸 雪
購入者特典で、QRコードを読むと、吟行の動画を見ることができる。
「西園寺翔」は、俳人S氏のペンネーム。
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