2021年2月24日水曜日

『夜の水平線』津川絵理子句集

久しぶりにダム池の林道へ。ソウシチョウがいたけれど撮れず。

良いお天気に誘われ山道の方へ。途中から鳥を忘れて展望台を目指す。

反対側の道へ下りたため、戻ってくるのが遠かった。単なるハイキングになってしまった。





津川絵理子句集『夜の水平線』(ふらんす堂)


近付けば雪渓暗き眼をひらく

香水や土星にうすき氷の輪


こういう大きな景の句にもはっとさせられるが、やはり虫の句に迫力を感じる。


柱よりはみ出て蟬の片眼かな

近づいてくる秋の蚊のわらひごゑ

濡れ砂を刺す夏蝶の口太し

蟻と蟻火花の如く探りあふ

長雨や壁の蛾の息すこし浮く


永き日の桶をあふるる馬のかほ

馬の句もユニークな句が多い。


木の実降る一頭づつの馬の墓

動物なら、通常は、よくても慰霊塔のようなところへ合同で納められるのだろう。一頭づつというのは相当に大切にされた馬たちなのだと思う。


力量に偏愛が加わり充実している。


0 件のコメント:

コメントを投稿