季刊「らん」82号より
春の暮目鼻のありし顔ばかり 鳴戸奈菜
目鼻のあるほうが不思議なのかも。人混みをあるいているとそんな気になってくる。
わが恋やムスカリの首あまた摘む 結城万
種をつけると株が弱るから、花がらを摘んでしまう、あたりまえのようにする作業。子孫を残そうとする植物に対しては、すこし残酷。
晩春の口笛として立つてゐる 月犬
ひゅっと。
えんとつが見えて噴水見失ふ 嵯峨根鈴子
どちらかを選ばねばならないのです。
黒き字の多色ににじむ氷水 岡田一実
色の三原色。
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